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各論

歯シリーズ2 各論

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しそうのうろう


人が歯を失う原因でもっとも多いのが、むし歯と歯槽膿漏。とくに、50代以上の世代では、圧倒的に歯槽膿漏の割合が多くなります。この病気が怖い点は、歯を支えている土台の部分が破壊されてしまうから。歯自体が悪くなくても、例外なく歯は失われてしまいます。一度なくなった土台が再生することはありません。
 歯槽膿漏になる前に、「歯肉炎」という歯ぐきの炎症が起こります。子供から多くの若者にみられ、痛みはありません。そして、たび重なる炎症の結果、歯を支える周囲の繊維質や骨(歯槽骨)にまで破壊が及んだものが、歯槽膿漏です。つまり、症状がはっきりしてくるのは中年以降ですが、実際は若いころから始まっているというわけ。

原因は、歯ぐきの血流が悪い(歯並びが悪い・タバコを吸う)、かみ合わせが悪い場合や、歯ぎしりなどで一定の歯にストレスがかかっている場合など。中でも一番悪いのが、歯の汚れである歯垢(しこう)と歯石です。
 歯をきれいに磨かずにいると、口の中の細菌が増殖した歯垢ができます。ねばねばしたチーズのようなものです。この歯垢と、唾液中のカルシウムがかたまって、歯石ができます。とてもかたく、歯科医院に行かないと除去できません。
 歯石には歯ぐきの溝の中で歯根に付く黒っぽいもの(歯肉縁下歯石)と、歯ぐきの上につく白っぽいもの(歯肉縁上歯石)の二種類があり、黒っぽい歯石が歯槽膿漏の原因となります。
 歯石があると、歯垢はさらにくっつきやすくなり、細菌のかたまりである歯垢から、毒素や酵素がでて、炎症が始まります。歯と歯ぐきの間の溝(正常時の深さ1mm程度)に入り込み、溝の底まで浸食し、そこにまた歯垢や歯石が付着するという悪循環に。
 正常な歯ぐきは、歯と歯の間がきれいな三角形でピンク色。一方、炎症を起こしている歯ぐきは、歯に接している部分が、腫れて丸みをおび、赤や赤紫色になります。
 歯肉炎は、歯石がない場合、毎日の正しい歯みがきできちんと歯垢を除去すれば治ります。が、歯槽膿漏まで進行すると、歯みがきでは治すことができません。
 歯科では、レントゲン写真や歯ぐきの検査など、きちんと資料をとり、治療法の説明をします。
 まず、歯石をとることが大切で、歯根についた歯石を徹底的にとりつるつるにしますが、これには時間と手間がかかります(1本に5〜10分程度)。 重症の場合には歯ぐきを切って中の汚れをとるなど、数時間ですむ簡単な手術なども行っています。歯を支える骨が破壊されて土台が弱っている場合は、隣の歯と固定をして補強します。かみ合わせが原因となっている場合には、その治療も必要です。治療が終了したら再び炎症が起こらないように、定期的定期的にチェックやクリーニングを行うメンテナンス治療に移ります。
 そうならないためにも、最低でも年に一度は歯科で定期検診をうけ、歯石をとってもらうとよいでしょう。

あなたは大丈夫? ● 朝おきて口臭がする
● 歯磨き時に血が出る
● 歯と歯の間の歯ぐきが、丸みをおびて赤紫色
● 口の中がぬるぬるする
● 歯ぐきが後退して、歯が伸びたような気がする
● 歯がグラつく
● 歯ぐきから膿(うみ)がでる
ひとつでも当てはまる場合は注意!!


 

取材/Kawasaki dental office
     ( 川崎歯科医院)  
     川崎俊明 院長

TEL 096(352)8008

 

川崎歯科・川崎俊明院長

 

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