それでは、ここで、この映画に対する賛否両論について、書かせてもらう。
この映画は、確かに残虐なシーンの連続だし、内容にコミック的な要素もあるので、そういったモノを嫌う人達には、嫌悪されやすいところもあるだろう。
たとえば、殺すことを快感として生き延びようとする転校生に対し、私たちは、共感を覚える事は、難しい。
しかし、そんなキャラクターに出会う事によって、自分の中にある残虐性に目覚め、犯罪に走ってしまうような少年少女がもし現れたら、それは問題だ。そして、その可能性を否定してしまう事は、おそらく誰にも出来ないだろう。
ただ、それを恐れて、強制的に、何らかの対策を、政府に求めた国会議員の石井さんは、間違っていると私は思う。
それはなぜかと言えば、この映画は、いい映画だからである。もしかしたら、かなりいい映画かもしれない。ひょっとしたら最高の映画かもしれない。
深作欣二監督は、あのスピルバーグが、「プライベート・ライアン」の戦闘シーンの中で使った手持ちカメラの手法を、30年ほど前に「仁義なき戦い」の中でもう既に取りいれていた。 この映画は、その深作監督が、私たちと私たちの子供の世代のために、作り贈ってくれた、儚くも悲しい、それでいて激しくも力強い「ラブストーリー」だと、わたしは確信しているからだ。
それでは、次回は、「技工料直接請求制は、われわれにとってのバトルロワイアルとなるだろう!」 の巻