熊本SJCD オープンセミナー　レポートへ

ＳＪＣＤコンセプト

治療を成功に導くための基本的ガイドライン

　21世紀を目前に控え、世界の情勢もそれに合わせ着々と様変わりしてきている。我々が属する歯科界も同様であり、手技、マテリアルなどが急ピッチに進化している。これは歯科医療が発展する社会情勢に少なからず関係していることに他ならない。食生活の変化、社会的ストレスによる悪習慣、審美性に対する意識変化など社会が発展し、個人の文化レベルが向上すれば必ず生まれる副産物は多くが直接歯に関係してくる。しかしながら我々が医療として回復させるべく人の体は何万年も前から変わっていない。

臨床に携わってから15年以上が経ち、その間ＳＪＣＤをはじめいろいろな文献等から自分なりに歯科臨床のノウハウを習得してきた。その中で感じることは手技、マテリアルは変われども、治療における基本的なガイドラインは昔も今も変わらず、また変える必要性を感じない。ここ何年かで審美歯科が流行りのように巷にあふれ我々もその要望に応えようと四苦八苦しているが、歯科治療の本質を忠実に守ってこそであることを忘れてはならない。今回、いくつかの症例を交えながら経験してきた今日までの臨床に対する私見を述べてみたい。