九州湯けむり紀行  〜黒川・湯布院編〜   
<新婚さんとの甘〜い旅>

2001年6月
イメージ
はじめに
つかやんと私とかもなべは、元会社同僚である。 現役時代は、部署も離れていたので、さほど交流はなかったのであるが、お互い会社を辞めてから、OB同士、自営業同士、オタク同士(もち、つかやんとかもなべが) という接点から、今日まで親交を保ち続けている。

そして、今年2月、つかやんがめでたく HAPPY WEDDING 。
今回は、新しい仲間となった 「つかよめ」 を含めた4人で、「九州の温泉へ行こう!」 ツアーが実現したのであった。

「つかよめ」 と私達は、結婚式の際に、ほんのちょっと会話を交わしただけの仲であったが、第一印象通り、いや、それ以上に気さくで面白くてマイペースで一緒にいて楽しい女性でした。
(注: 容姿は端麗です。 決して面白い顔なわけではない・・・笑)
地図
ここらへんで遊んで来ました
第1日目 6月8日(金)

AM10:20 に熊本空港へ2人をお迎え。この日の熊本地方は、当初50%の降水確率はどうした? というような青空が広がった。

梅雨もどこかへ行ってしまったと思わせるような良い天気であった。
(あとで聞いたところ、つかやんは、かなりの 「ハレ男」 であるとか)


<久木野そば道場>

2人を乗せ、俵山(たわらやま) 経由で、まずは 「久木野そば道場」 へ。 「昼食に自分で打ったそばを食べようじゃないか」 企画である。

電話では 「今日は50人以上の団体が入っているから、手打ちは無理」 と言われていたが、団体さんより早く到着したので、運良く割り込ませてもらうことができた。

さっそく、4人前のそばをみんなで製作。この辺りで採れたそば粉に山芋、水を混ぜ、こね、のばし、切り作業を行う。 連帯責任だから、多少そばが太くても、パサついても、文句が言えない。 う〜ん・・・。

で、感想。 そば粉は取れたてに限る!この香りは産地ならでは!
しかぁ〜し、そばは、やはりプロが打ったものを食べたほうが美味しい。 (爆)
蕎麦
かもなべ、蕎麦を切るの図
<火口ロープウェイ>

腹ごなしに、次は、阿蘇火口付近まで足を伸ばすことにする。
南阿蘇から白水を抜けて、阿蘇ロープウェイ乗場へ。

しかし、この日は 「風向きが悪い」 ということで、ロープウェイは運休であった。 
時間があったので、火口対面 (火口東) にある仙酔峡(せんすいきょう) へ。
こちらのロープウェイは動いていた。

途中、登山装備を施した、おじ&おばの団体に会う。 先月中旬までが見頃であった 「ミヤマキリシマ」 が、この先の高岳付近には、まだ咲いているらしいので、今からみんなで見物しに行くとのこと。

「あんた達も行かんかね? きれいよ〜。」
「近くなんですか?」
「そうねぇ。 1時間30分ぐらい登るかねぇ。」
「・・・・・。 ^^;;; 」

どうやら、阿蘇5岳の中岳(1506m) と高岳(1592m) の間に咲くミヤマキリシマは、今が満開らしい。 しかし、ここ(1000m) 付近からは、全く伺い知ることは出来なかった。

「仙酔峡」 の名は、仙人でさえ花の香に酔ったという伝説に因んでいるらしいが、本当の 「仙酔峡」 とは、そこのことを指しているのかも知れないな、と思った。


<大観峰(だいかんぼう)>

ここは、先月、家族で訪れた時に、阿蘇と久住を一編に見わたすことができ、とても素晴らしかったので、立ち寄ることに。

しかし、今日は、晴れているにもかかわらず、霞がかっていて、あまり景観はよろしくなかった。 ちょっと、残念。
牧草
とはいえ、車窓からの景色は折からの好天に
恵まれ、最高!
<本日のお宿・流憩園>

この時期、黒川温泉の渓流沿いにはホタルが出るということで、田の原温泉の 「流憩園」 に宿をとる。ここを選んだのは、露天の湯が青色だったからだ。

夜に入った時は、暗かったし、虫もいたし、ホタルは2〜3匹ほど飛んでいたが、あまり風情は感じられなかった。 「う〜ん。 値段相応か。」 ・・・ なんて思っていたが、朝風呂に入って大感激!小鳥のさえずりと清流の音を聞きながら、青い湯の風呂に浸かる。「露天は、必ず朝に入るべし!」 ということを実感した。

4つの露天のうち、2つは家族風呂に、残りの2つは男湯と女湯に分かれていた。 しかし、空いていて、どこに入っても差し障りがないような造りだったので(と、私には思えた) 一番気持ち良さそうな男湯に入ることにした。

早朝の男湯に一人たたずむ美人妻 ・・・ いいぞぉ〜。 (爆)
上がりぎわに 「つかよめ」 に会ったので、ぜひとも男湯に入るよう勧める。その後 「朝寝坊つかやん」 も入浴。 新妻に写真撮影などをしてもらっていたようである。 (笑)

また、ここの食事は、田舎のお膳という感じで、温泉旅館特有の仰々しさがなかった。周囲にある山草の天ぷらや季節の果物、馬刺しにヤマメ、そして、デザートに出された季節限定 「トマトのシロップ煮」 がとても美味しかった。

パンフには 「数百年前、宿の主である北里家の祖先が、川の中で温泉を発見、山を切り崩し、川の流れを変えて泉源を確保した。」 とある。 よほどここの温泉が気に入ったんだろうなぁ。 >先代
青い湯





これが問題の男湯の露天風呂
野暮なこと言わずに、混浴露天にしちゃえばいいのに(笑
第2日目 6月9日(土)

今日も、ものすごく良い天気。 私たちも、度々この辺りを訪れるが、阿蘇・久住とも連日でこんなにお天気が良いのは珍しい。 しかも、梅雨時である。 恐るべき、つかやんパワー。 (笑)


<九州自然観>

朝風呂で一騒動して喉も渇いたので、飯田高原付近で一休憩。
キャンプ場の下見を兼ねて 「九州自然観」 に立ち寄る。
諸条件もよく、今年の夏は、ぜひここでキャンプをすることに決定。


<湯布院へ>

やまなみハイウェイを通って湯布院へ。
この地域には、九重、久住、湯布院、由布院 と2通りの表記がある。

まず、九重と久住。 前者は 「ここのえ」 と読む。 九重町、九重IC など、町内で 「九重」 と表記してあるものは全て 「ここのえ」 である。 一方、久住は 「くじゅう」。 久住町、久住山、久住高原 etc. 久住町内にある観光名所は 「くじゅう」 と読む。

どうやら、町ごとに明確に区別されているようだ。ちなみに、紛らわしい町名で 「玖珠町」 という地名があるが、これは 「くす」 である。

次に、湯布院と由布院。昔は 「由布院」 であったそうだが、昭和32年(ごろ?) お隣の 「湯の平村」 と 「由布院町」 が合併して、現在の 「湯布院町」 となった。 しかし、合併以前から存在する地名には 「由布院」 の文字が使われているものもある。 例: 由布岳、由布院駅、由布院小学校 など。


<本日のお宿・別荘・今昔庵>

土曜日の湯布院泊ということで、名の知れた旅館はどこも満室。 で 「どこでもいいから泊まれるとこ」 という条件で、ネット検索に引っかかった宿へ片っ端から電話を入れて取れたのが、この宿。ところがどうして、この宿、なかなか素敵な宿であった。

町のちょっと外れにたたずむ古屋敷。 120年前の庄屋の母家を改築したということである。我々の泊まった部屋は2階で、廊下をはさんで和室と洋室に分かれていた。 ほかにも離れがあり、こちらには露天風呂が併設されている。

露天、内湯とも全て家族風呂(貸切) で利用でき、夫婦や家族でゆっくりと温泉を楽しむ配慮がなされていた。また、食事は、豊後牛、地鶏、別府から取り寄せた海の幸をはじめ、舌鼓を打つ食材のオンパレードであった。

これで、休前日 @16000 円は、かなりお得だ。(と思うんだけど、いかがでしょう?)
洋室 和室
↑マントルピースまである洋間
大正ロマ〜ン
↑で、廊下を隔ててこちらは和室
縁側から出ると露天風呂へ
<電飾ボタルと本物ホタル>

さて、こちらでもホタルがちらほら見られるという話から、食後、さっそくホタル見物へ・・・ と、玄関を出たところで、さっそくホタル発見!

「あっ !! ホタルだっ !! 」  
「あっちにもっ !!! 」 
「すげ〜。 たくさんいる。」 
「なんかでかいぞ。」 
「逃げないねぇ。」 
すると、隣にいたお客さんが 「・・・ それ、電飾ですよ。」
「えっ !? 」 
「あ〜〜っっ !  コードがついてるっ !! 」 
「なんだぁ、やらせじゃん !! 」 
「ひでぇ〜 !! 」

我々(特にかもなべ)が大声で騒いでいると、宿の方が慌てて出てこられた。 
「あっ、あっ、これは雰囲気作りなんですよ、お客さまっ。 本物のホタルは、蛍観橋にたくさんいますから・・・」 (汗)

というわけで、一同、気を取り直して 「蛍観橋(はたるみばし)」 へ。宿を出たあたりから、小川沿いにホタルが1匹、2匹 ・・・ とちらほらと姿を現し始めた。 そして、蛍観橋付近に着くと、何十、いや数百匹ものホタルが、それはそれは幻想的に飛びかっていた。 まさに、映画 「蛍川」 のワンシーンだ。

私たちも、今までにあちこちとホタル見物に出かけたが、こんなにたくさんの(まさに鈴なり!) ホタルを見たのは始めてであった。つかやん夫婦も、この素晴らしい光景に息をのんで見入っていた。
電飾ホタル
皆さんもくれぐれも注意しましょう
「注意1秒ケガ一生」です!
<天井桟敷>

由布院駅から乗ったタクシーの運転手さんが 「『天井桟敷』 があってこそ、今の湯布院があるとです。」 と言ってたのを思い出し、ホタル見物の後に、皆で、このうわさの 「天井桟敷」 まで足を伸ばすことにした。

ガイドブックによると、ここは 「亀の井別荘」 の敷地内にある造り酒屋の屋根裏を改造したバー、とある。旅行最後の夜を、この歴史あるバーで過ごそう! と一同意気込む。

が、先週からしばらくアルコールの類を止める、ということで、残念ながら、この酒蔵は、ただの茶房になっていた。しかし、お店の雰囲気はとても良い感じだった。 BGMには、グレゴリオ聖歌。(謎) 

我々は、奥の4人席に座ったが、その上には、まさしく 「天井桟敷」 と呼ぶにふさわしい密室があったようで、店員さんが、お水やおしぼりをつるべのようなもので引き上げていた。
第3日目 6月10日(日)

やや曇空。 しかし、最後まで雨は一滴も降らなかった。朝から 「夢想園」 という宿の展望露天風呂まで行ってみようかとも考えていたが、そろそろ疲れも出始めているし、午前中は、のんびりと街中を散策することにした。

湯布院は、私が小さい頃(30年近くも昔) に、家族でよく静養に来ていた。 当時は、民宿や老舗の旅館が数軒しかなく、ペンションなどは皆無だった。

しかし、今回、数十年ぶりに訪れた湯布院は、軽井沢 !? と見間違うほどに街中に土産物屋が建ち並び、観光客であふれていた。 もともとは民家の並びであった細い路地を、観光バスがひっきりなしに突っ込んでくる。

これは、昔の湯布院を知る者にとっては、ため息ものであるが、東京っ子 「つかやん」 を始め、雰囲気といい規模といい、観光客にとって、非常に心地の良い街に変わったのかもしれない。

今までほとんど土産物を買う機会の無かった我々は、ここで、大勢の観光客に混じり、街中を徘徊することにした。

徘徊といっても、土産物ストリートはそれほど広くもなく、散策にはちょうどよい。 それにしても、オリジナルグッズを扱う店が結構あるのには驚いた。 リピーターが増えるわけだ。 見習うべし。 >黒川温泉

我々がハマッたのは 「昔ばなし乃店」 という焼酎蔵である。 郷土の焼酎が、オリジナルの装丁を施されて、所狭しと並べられている。 もちろん、みんな買いました。 1本ずつ。 試飲もしました。 それ以上に。

ほかにも 「大分限定!かぼすキティ」 なども発見。 結局、あれこれとたくさん買物してしまった。

「昔ばなし乃店」の店内風景
ここでしか手に入らない珍しいお酒がずら〜り。


<阿蘇神社>

いよいよお別れの時間が近づき、一同、空港までの道を引き返すことになった。途中、ちょっと時間があったので、阿蘇神社へ立ち寄ることにした。

ここは、九州にある約400の阿蘇神社の総本社である。 創建は紀元前と伝えられ、その系譜は、皇室よりも古いと言われている。

現在の宮司は 「阿蘇 惟之(これゆき)」 さん、91代目。 苗字が 「阿蘇」 さんなのが面白い。また、このお社は、taka さんとみちこ様が挙式をあげられた、聖なる地でもある。 (笑)

つかやんが 「神社と神宮は、どう違うんだろうか?」 と尋ねてきたが、家に帰って 「広辞苑」 を調べたところでは、神社<神宮  神社=神のやしろ。 神宮=神の宮殿。皇室に関係あり、神社の中でも神宮号を与えられたもの。・・・・とあったんだけど、こんなもんでわかったかな? >つかやん
時間があったら、も少し調べてみるね。

・・・ というわけで、楽しかった2泊3日の旅は、まさに湯けむりのごとくあっという間に終わってしまったのでありました。

また、一緒に遊ぼうね♪ >つかやん&つかよめ
・・・ 最後に、今回一番の感想。 
「やっぱ、新婚さんは、よかなぁ。」 (笑)

お蔵出し HOME
0506fuf