地蔵

ご隠居ご隠居 源さん源さん
いや〜ご隠居、いよいよ21世紀ですね。
うむ、とうとう21世紀じゃのぉ〜。
でも、なんかこれまでと世の中と変わりませんね。
そりゃそうじゃ、意地悪な言い方をすれば、まぁ、ただの西暦におけるキリ番じゃからな。
しかし、子どもの頃「21世紀の世界」なんて雑誌の付録見て胸をときめかせていたあっしとしちゃ、今ひとつ納得できないんで。
ビルの谷間をエアカーが走ってたりするあれか。
へえ。あと透明なチューブがビルとビルをつないでたり・・・。
ま、そういったものは「あったらいいな」で書かれた物じゃから、あんまり責めても野暮じゃよ。
本格SFの方では「2001年宇宙の旅」とかもありやしたぜ。
そういえば、あの中に出てきた有人木星探査船も実現されておらんし、第一、IBMは自我を持ったコンピューターを作ってもおらんしのぉ。
へ?あの木星探査船につまれていた「HAL」ってコンピューターはIBM製なんで?
ま、そうはっきりとは描かれてはおらんがな、ほれ、「H」の次のアルファベットは何じゃ?
そりゃ「I」です
それでは「A」の次は?
「B」
で、「L」の次が・・・。
「M」で・・・なるほど、つなげてみると「IBM」!
じゃろう。・・・しかし、あの映画におけるコンピューターの描き方というのはいかにも60年代といった感じで今見るとおもしろいんじゃよ。
へえ、そりゃまたどんなところが。
宇宙船に1つだけど〜んと、でっかいコンピュータが乗っかってるてえのが、いかにもその時代のコンピューター観を表しておろう。
なるほど。コンピュータをつないでネットワークを張るなんて概念がなかった。
いかにもじゃ。まあ、パソコンなんて言葉もない時代の作品じゃから無理もないがのぉ。
てえと「HAL」ってスタンアローンなんですね。
いってみりゃ、そうじゃ。
最後には自我が芽生えて暴走して・・・。
今の人が見たらウィルスか何かに犯されたと思っちまうんじゃないかなぁ。
ははぁ、なんせ宇宙人をコンピューターウィルスでやっつけたりするのが今の映画ですからね。
インディペンデンスデイじゃな。いや〜、あれには腰が抜けそうになったわい。一体どんなんじゃ、あのウィルスは。
ま、ま。娯楽大作ですから、あれは。しかしこうやって考えますと、未来予想なんてのは中々当たらないもんですねぇ
そうじゃなぁ。しかし、話を「HAL」に戻すと、おもしろい偶然の一致が起こっておる。
どんなんで?
「HAL」は1997年製ということになっておるんじゃがな、この年、現実にもIBMはすごいコンピューターを作り出した。
1997年・・・・う〜ん、なんでやすか?
IBM製のスーパーコンピューター「ディープ・ブルー」がチェスの世界チャンピオン、ガルリ・カスバロフを破ったのがこの年なんじゃよ。
はぁ〜。
HALは出来なかったがその代り「ディープブルー」というわけじゃ。
なるほどねぇ〜。
しかし、お前さんの言う通り、未来予測というのはむずかしいもんじゃな。
ねえ、ご隠居。あと100年ばかしすると、ドラえもんがやって来る時代になるんですけど、こりゃどうでしょう?
う〜ん、そりゃむちゃくちゃ無理そうじゃなぁ。




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