温故知新 2001.10.03

52.母乳と人工乳

 最近の傾向として、人工乳(ミルク)に頼った授乳法が大半をしめていますが、それはちょうど、家畜の飼育が人口飼料に頼っているのとよく似ています。  人工乳は、栄養的にはいろいろと工夫がされていますが、あくまでも母乳のイミテーション(ニセモノ)であることには違いありません。
 一般的に間違いやすいことは、乳児の体格が大きいとか、太いということと、丈夫ということとは、決して同じではありません。
 家畜は短期間に、出来るだけ大きく育てて、食肉にするとか、乳を絞るとか,あるいは卵を生ませるなど、それらの目的にそえばよいわけですが、育児の場合には、まず病気にかかりにくいように、抵抗力をつけることが何よりも大切です。
 この点、母乳には天然の抵抗力がふくまれていますが、人工乳にはそれがふくまれていません。そこで母乳が足りない育児の場合に、不足分を人工乳で補うのが、上手な人工乳の利用法と言えましょう。
 最近、2歳児や3歳児に、ムシ歯が多くなった原因の一つは、人工授乳のみに偏っている現状に、問題がありそうだとする意見が多くなっています。



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