偏食は虚弱体質を作り、ムシ歯にもかかりやすい歯になることを知りながら、現状では簡単であるとか、便利であるとか、時間的に節約になるとか、経済的等々の理由によって、偏った食生活をしがちです。
偏食の原因には、体が受けつけない、いわゆる特異体質(アレルギー)によるものもありますが、大半の場合は作られた環境に慣らされて偏食になることの方が多いようです。
最近、獣医さんに聞いた話によると、飼い主にムシ歯がずいぶんと多くなったそうです。また動物園にいる動物が、野生のものと比較して、ムシ歯や歯槽膿漏(しそうのうろう)にかかっている率が多いといいます。
動物が人間社会に入ると、なぜ病気が多くなるのか。しかも高度に文化が進んだ社会であればあるほど・・・・。
動物学者で、しかも哲学者として有名なコンラート・ローレンツ博士が、日高敏隆先生との対談の中で、「今までの計量測定のみを重視してきた“実験室的科学者の態度”から、今後は自然環境と動物が、どのようにかかわりあいながら共存しているかを学ぶことがより大切であろう」と、未来の動物学者の姿勢について感想を述べていました。この話はそっくりそのまま人間にも当てはまりそうです。