温故知新 2000.12.25

12.保険制度は麦メシか

 科学技術は日々革新されています。
 同時に歯科医療も前進を続けています。
 新しい科学技術は、必ずしもすべてがよいわけではないかもしれませんが、よりよいものを求めて前進するのが科学の宿命です。しかも、これらの技術革新の恩恵(例外的には弊害もありますが)をすべての人々が受けられることこそ、技術革新の目的だと思います。
 そこで現行の保険制度について考えてみると、一般医療は、直接生命に関係するために現行の制度の中でも、比較的にその恩恵を受けることができますが、歯科医療については多くの制限があり、現代の歯科医療と、現行の保険制度下の歯科医療を比較すると、特に補綴に関して格差は広がる一方です。
 格差の広がった根本的原因は、戦後、急速に進歩した歯科医療に対処することが出来なかった保健行政にももちろん責任はありますが、行政に対して、比較的無関心であった個々の歯科医師も、謙虚に反省しなければならないと思います。 
 かつて、池田大蔵大臣が貧乏人は麦メシを食え≠ニ言って物議をかもしましたが、それとよく似た状態が歯科の保険制度と言えましょう。



目次へ|column index| ourdent.com| ご感想はぜひ掲示板へ