温故知新 2000.11.27

8.手動式からジェットへ

 歯を削るエンジンは、近代歯科医療とともに進歩をつづけてきました。
 近代歯科医療が始まったころは助手がハンドルを回すその回転力によって歯を削りました。その回転力は、せいぜい1分間に500回転ほどであったと想像されます。
 手動式のエンジンは、やがて“足踏みエンジン”に改良され、回転数は手動式のものより速く、また、助手の手を借りる必要もなくなりました。
 大正末期から昭和の初期にかけて、電動モーターによるエンジンが開発され、1分間に2000回転と回転数は増加し、しかも一定の安定した回転数になり、削る方も削られる側にも大いなる福音となって、電動エンジン時代が長く続くようになりました。
 戦後、電気エンジンは改良につぐ改良を重ね、5000回転、10000回転と急速に回転数を増すことになります。  ところが昭和30年に開発されたエアタービン(圧縮空気の噴射によって羽根車を回転させる方法)は、1分間に30万回と過去の想像を超えた回転数になり、接触によって削ることが出来るようになりました。
 エアタービンの出現以来“ガリガリ歯を削る”イメージはなくなったといえましょう。



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