OURDENTではイラクの戦火をかいくぐってドイツはケルンへ、13年ぶりにIDS会場に潜入してきました。 言語的不自由をものともせず、あちこちのレストランからのビールとソーセージの誘惑に負けながらデジカメをパシャパシャしてのレポートです。 ということで、たいした内容にはならないわけなんですが、会場の雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。 それぞれの写真をクリックすると別ウインドウに拡大いたします(画像サイズはすべて800×600です)。 それではごゆっくりヨーロッパの雰囲気をお楽しみください・・・・ (写真はすべてオリンパスC700UZにて筆者が撮影) |
●旅の感想● |
2年に一度行われるIDS、今年はケルンメッセ13〜14号館において、51カ国1400企業団体を集めて開催されました(前回は43ヶ国、1300企業)。 参加企業のうち、59%がドイツ以外の企業だったようです(前回55%)。 1週間にわたる開催期間における参加者は132カ国から63,000人に及びました(前回比107%)、そのうち15%が歯科医師で22,000人、歯科技工士は16,000人だったそうです。やはりイラク戦争のおかげで、参加者の中でアメリカ人がかなり減ったようですが、日本からの参加者もずいぶん減ってしまっていたようです。実際に渡航した感触では北朝鮮危機のある日本よりはイラク戦争に反対しているドイツのほうがよっぽど安全だ、という意見も多く聞かれましたが・・・ 上の記事にも書きましたが、CAD/CAM、審美がらみの製品(セラミック・コンポジットなど)、インプラントなどの最新機器が幅広く各社の目玉になっていたようです。光重合器もLEDタイプがすっかりその主流となり、多くのユニットにもオプションとして組み込まれ始めていました。 日本に紹介されていない様々なメーカー・企業のブースを見て歩くと、この業界も世界中で商売できる世界なのだな、と思いました。 その半面、日本では薬事法などの様々な規制が今後強化されていくとも聞きますし、はたしてこのようなグローバルな競争の中での日本の位置はどうなるのだろう、という心配も起こりました。 保険制度や国内企業の保護などのある意味で社会主義的な政策で成功してきた日本も、これからは十分に育った国力を背景に、次の段階の挑戦を始める時期なのではないでしょうか。アメリカ的な資本主義で全てが解決するとも到底思えませんが、しかしそこから目をそらし、国内に引き篭もってばかりいても何も生まれないような気がしました。どん詰まりに思える国内の業界情勢でも、地球上の多くの国に比べるとまだまだ恵まれた環境に思えますし、逆にヨーロッパなどの一部先進国では、まだまだ旺盛な探究心で新しい技術や知識を探し求めていたりもしているようです。日本ばかりが妙に大人になった気分で、達観してしまっているんじゃないかな、そんな気がしました。 臨床家は国内を飛び出して、世界中で活躍を始めています。我々業界人ももっといろんなレベルで日本を飛び出して、彼らに置いていかれないように、逆に情報を与えていけるくらいの気概で頑張らないと、いや、そういう世界が僕らを待っている・・・そんな感想を抱いて帰ってきました。 今回の旅では、いろんな人に出会いました。短い出張でしたが、見たこと聞いたこと感じたことを、これからゆっくり噛み締めながら、また日常に戻り、こつこつ明日を開拓していきたいと思います。 粟津貴昭 |