みなさんこんにちは。いつもお世話になり有難うございます。あるいははじめまして。 2005年の暮れにそれまでの訪問営業部門をご縁のあった同業他社にお譲りしました。振り返ると人生を賭けた大決断のようでありますが、実際にはさほどの気負いもなく、ただ自然な流れの一つとして、周りの皆さんに甘えていただけというのが実情でした。もちろん、社員の二人をはじめとして、多大なご負担をかけてしまったことは強く自覚し、一生忘れずにこの業界を通じてお返ししていかねばならないと強く心に刻んでおります。 譲渡にまつわるさまざまな業務が一段落し、この20年間で感じなかった自由で暇な時間と空間が降りかかってきました。もちろん多額の負債を返し、家族3人と犬一匹が食べていける仕事を見つけないと、とアワデントの仕事に埋没してきたのですが、それでもふとした合間に、これまでこの業界で過ごしてきた日々のことを振り返ることが多くなりました. やり残してきたこと、未完成の悔しさ、その一方で今だからこそ見えてきた本来やるべきこと。 流通という、臨床の現場とメーカーや卸という川上の双方を眺めることのできる立場であるアワズデンタルと、物販を一切行わないというアワデントの特異性をうまく組み合わせながら、こんな僕でもできるかたちでの貢献を考え、即座に実践していきたいと、そんなことを考えながら仕事を続けています。
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「歯科材料店」というポジション、役割、人材を僕は信じています。ともすれば経費を使うだけの厄介者だと思われがちな部門ですが、しかしメーカーさんや問屋さん、通販さん、もちろん臨床家のみなさんでは考えもつかない発想と行動力で、皆さんが抱えている問題点を鮮やかに解決しつつ、歯科医療全体の問題をも良い方向へ導くことのできる可能性を秘めた役割だと信じています。 同時に歯科臨床の大切さ、すごさ、崇高さも毎日ひしひしと感じています。ただ単にお金を運んでくれるだけの「顧客」としてではなく、日々歯科臨床の現場で崇高な仕事に邁進している歯科医師、歯科技工士、歯科医師、スタッフの皆さんのバックヤードとして働ける喜びを感じることができるというのは、僕らの最大の活力だと感じています。 20年間、この業界で感じたことを、残りの仕事人生の中で一つずつ現実化でき、それがひいては皆さんや患者さんのためになるのであれば、最高の幸せです。なんて格好つけて見せても、どうせどこかで酒を飲んだりケンカをしたり機関銃のようにメールを送りつけたりしているの毎日です。これからも、楽しんでいろんなことにチャレンジしていきたいと考えています。 2006年10月1日 粟津貴昭
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